大宮の風俗店火災、男女3人の死因は一酸化炭素中毒だった

「建物が古く、部屋や階段は周囲の風俗店に比べて狭かった」 これまでに判明したことは?

さいたま市大宮区の風俗店で12月17日に火災が発生し、男女4人が死亡した。FNNニュースによると、その後の調べで、死亡した4人のうち、性別がわからなかった1人の遺体が男性と判明したほか、2階の南階段付近が火元とみられることや、男女3人の死因が一酸化炭素中毒だったこともわかった。

サンスポによるとさいたま市消防局は18日、市内の同様の風俗店17店舗への特別査察に着手。避難経路や消防設備の管理状況などを確認した。

12月19日午前11時現在、各社の報道で判明したことをまとめた。

火災のあった風俗店を現場検証する警察と消防=18日、さいたま市大宮区
火災のあった風俗店を現場検証する警察と消防=18日、さいたま市大宮区
時事通信社

■発生場所は歓楽街「大宮北銀座」

火災が発生したのは、JR大宮駅東口から北へ徒歩5分ほど離れた「大宮北銀座」と呼ばれる歓楽街だった。周辺には風俗店が約20店舗ある。

飲食店、雑居ビル、民家などが密集しており、車が1台やっと通れる程度の狭い道が多い

■「ドーン」という大きな爆発音

火災が発生した風俗店の入るビル(奥)=17日午後、さいたま市大宮区 ※一部、画像処理(車のナンバープレートと店の電話番号にモザイク)をしています
火災が発生した風俗店の入るビル(奥)=17日午後、さいたま市大宮区 ※一部、画像処理(車のナンバープレートと店の電話番号にモザイク)をしています
時事通信社

12月17日午後2時ごろ、同店から「煙が充満していて逃げられない」と複数の119番通報があった。消防車など延べ38台、約160人が出動して消火に当たり、約7時間後の午後9時5分ごろに鎮火した

火災が発生した風俗店は鉄筋コンクリート3階建てビルに入居しており、全て同店が占めていた。1階と2階に個室が5部屋ずつ、3階に客の待合室と女性従業員の待機室があった。3階建て延べ約170平方メートルが全焼したという。

日刊スポーツは、出火当時の状況を以下のように生々しく報じた。

「ドーン」という大きな爆発音が周囲に響いた。黒い煙も強い風にあおられて広がる。すすで顔が真っ黒になった人たちが次々と救急車で搬送されていった。髪の毛が焦げてちりちりになった男性や、毛布にくるまった男女が慌てて外に飛び出し、道路に座り込んでいた。

この火災では、20代とみられる女性2人と40代とみられる男性が死亡。搬送された人たちとは別に、3階から性別不明の遺体が見つかった(後に男性と判明)。他に女性1人が重体、男女7人が軽傷だ。

■出火場所はゴミ置き場か?

火災現場のビルと隣接する駐車場に置かれた花束や飲み物=18日、さいたま市大宮区
火災現場のビルと隣接する駐車場に置かれた花束や飲み物=18日、さいたま市大宮区
時事通信社

毎日新聞は18日、捜査関係者への取材結果として、ビル2階南側のゴミ置き場が出火場所とみられると報じた。

ゴミ置き場にたばこの吸い殻などを置いていたという情報もあり、埼玉県警は可燃性のゴミやたばこの不始末が出火原因の可能性があるとみて調べている。

また、同店は2016年6月にさいたま市消防局から指導を受けていた。朝日新聞デジタルによると、消防局がこの店に定期査察をした際に、1階南側にあった出入り口の外に物が置かれていたため、消防法に基づいて処分するよう指導した。店側はその場で改善していたという。

日刊スポーツは「建物が古く、部屋や階段は周囲の風俗店に比べて狭かった」という同店の利用者の言葉を紹介している。

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