アメリカに住む白人の3/4は、黒人の友達がゼロ(調査結果)

アメリカは「ポスト・レイシャル」(人種問題を超えた)社会だとよく言われるが、それにもかかわらず、アメリカ人同士の友人グループは、相変わらずかなり「人種分離的」であることがわかった。
Kerstin Geier via Getty Images

アメリカは「ポスト・レイシャル」(人種問題を超えた)社会だとよく言われるが、それにもかかわらず、アメリカ人同士の友人グループは、相変わらずかなり「人種分離的」であることがわかった。

Public Religion Research Instituteが最近行った調査によれば、アメリカに住む「平均的な白人」の場合、その友人の91%は白人であり、黒人(正確な言い方をすれば、アフリカ系アメリカ人)の友人はわずか1%にすぎないという(そのほかは、ヒスパニック系が1%、アジア系が1%、異人種間の混血が1%)。

これに対して、「平均的な黒人」の場合は、その友人の83%は黒人で、白人は8%、ヒスパニック系が2%、アジア系はゼロで、3%が異人種間の混血だ。また、ヒスパニック系の場合は、64%がヒスパニック系で、白人が19%、黒人が2%、アジア系が1%だ。

つまりアメリカでは、マイノリティのほうがより多様な交友関係を持つ傾向があり、白人はその点で大きく遅れを取っているようだ。

また、今回の調査結果で特に目につくのは、「友人の全員が自分と同じ人種だ」と答えた人が、白人の場合では75%にのぼることだ(黒人の場合は65%、ヒスパニック系の場合は46%)。

「ワシントン・ポスト」紙はこうした調査結果を要約して、次のように表現した。「黒人が付き合う友人は、白人より黒人が10倍多い。だが、白人が付き合う友人は、黒人より白人が91倍も多い」

下に掲載した「ハフポスト・ライブ(Huffpost Live)」での対談で、ヒラリー・クロスレー氏(アメリカの女性向けサイト「Jezebel」に、この調査結果についての記事を書いたライター)は、黒人女性の立場から、このような調査結果は「少しも意外ではない」と語っている。

「明らかに言えると思うのは、どんな人であっても、見た目が自分と似ている人や、同じようなことに関心をもつ人、同じ地域に住む人、そして同じ職場で働く人も含まれるかもしれませんが、とにかくそういう人たちと付き合いがちだろうということです」

ただし、クロスレー氏はこうも語っている。「大事なポイントは、もし違う民族の友人がいれば、マイク・ブラウン事件(日本語版記事:ミズーリ州で2014年8月に起きた、丸腰だった18歳の黒人男性を警察官が射殺したとされる事件)のようなことが起きても、あまり驚かないだろうということ。文化が異なる人同士のコミュニケーションがあれば、インターネットで見ることだけではなく、実際に社会がどうなっているかを理解しやすいのです」

一方、著述家のロブ・スミス氏は、この統計はアメリカにおける白人の特権的立場を反映していると付け加えた。

「黒人は、なるべく黒人以外の友人を増やしたいと思っています。われわれ(黒人)の大多数は、このとても白人的な世界で生きていかなければならないからです。これに対して、白人であれば、その方が快適だという理由で、自分のまわりを文字通り白人だけにすることができます。それが白人の持っている特権です。黒人にはそうした特権はないんです」

[Rahal Gebreyes(English) 日本語版:水書健司、合原弘子/ガリレオ]

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