児童へのレイプが頻発するインド 10歳少女が妊娠、生後21カ月の赤ちゃんも犠牲に

10歳の少女が義父に繰り返しレイプされ妊娠した。
MARIANA GUEDES / EYEEM

■ 妊娠した10歳のレイプ被害者、医師が中絶へ

10歳の少女が義父に繰り返しレイプされ妊娠した。脅されていたため、それを口外できなかったが、最終的に医師たちが中絶に踏み切った。市の裁判所が医療チームの意見を受け入れる意向を示したからだ。インドの法律では、20週を経過した中絶は禁止されている。母体が危険にさらされている場合は別だ。

「地方裁判所の指示を受け、私たちの医療チームは被害者を検査しました。分娩でも、中絶でも、いずれにしても合併症の可能性があります。出血が止まらず、傷が治らないこともあります。薬の副作用などもあるでしょう。ですが、私たちは決心し、警察に報告書を提出しました」と、ロータクにあるバグワット・デイアル・シャーマ医大病院(PGIMS)のアショク・チョーハン院長はインディアン・エクスプレス紙に語った。

8人の医師からなる医事局によると、この少女は妊娠18週目から22週目の間だという。チョーハン医師は、医療チームは裁判所から2つの選択肢を与えられた、とヒンドゥスタン・タイムス紙に話した。胎児が法律で定められた20週の上限を超えないと考え中絶するか、または胎児がそのまま完全に育つまで待ち、出産するかだ。しかし、10歳の少女にとって出産は大きな精神的ダメージがあると考え、医師たちは人間的な医療行為を決断し、中絶に踏み切った

インドでは児童に対する性犯罪が蔓延している。犯罪記録局(NCRB)の最新データによると、約70%急増しているという。児童に対する性犯罪は2015年に1万4913件が報告された。前年は8904件だった。レイプ、痴漢、児童ポルノ、性交渉のための児童人身売買などだ。子供は大人たちの圧力によって口止めされているため、虐待者の身元は分からないままだ。

2007年の政府調査では、53%の児童が1回、またはそれ以上の性的虐待に直面したことがあるのが分かったが、虐待を他の人に話す子供はほどんどいなかった、とロイター通信は伝えた。児童に対する性犯罪の約95%は顔見知りによる犯行だった。

少女の母親はビハールから出稼ぎに来ている。少女が脚の痛みを訴えたため、病院へ連れて行った。少女は義父にレイプされたと医師に伝えた。その義父は彼女の父方の叔父でもある。レイプは数年にわたり、「誰にも言ってはいけない」と脅された。

しかし、もう一つの問題がある。

少女の母親は、事件が明るみに出た後に警察に逮捕されたレイプ容疑者を釈放してほしいと思っている。彼はロータクのベニヤ板工場で働いてるが、怖ろしいレイプと虐待を繰り返し、また23歳の女性につきまとい、その女性からプロポーズを断られたために彼女をレイプ、虐待し、その後に殺害した。

「夫が刑務所に入ったら、私はどうすればよいのでしょうか? 娘の人生はめちゃめちゃです。でも、他の子供たちはどうすればいいんですか。彼らの将来も考えなければなりません」と、彼女はインディアン・エクスプレス紙に語った。レイプの容疑者はおそらく、少女が自宅の屋根から落ち、言葉を上手く話せないことを巧みに利用したのだろう。「彼女は集中力の面で問題があります」と母親は語った。

この事件を担当したガリマ・デヴィ捜査官は、性犯罪児童保護法の下、容疑者に対し供述調書(FIR)が作成されている、とインディアン・エクスプレスに語った。

■ 生後21カ月の赤ちゃんが近隣住人の男にレイプされる例も

5月7日には、インドのデリー東部のガンディーナガルの街で、歩くことを覚えたばかりの、生後21カ月の赤ちゃんが近隣住人にレイプされるという事件が発生した。

この事件では、仕立て屋のハリ・ラム・ヤダフ容疑者(40)が逮捕された。PTI通信によると、ヤダフ容疑者は、喫茶店を経営する被害者の赤ちゃんの父親と面識もあった。父親は、これまでに赤ちゃんをヤダフ容疑者と一緒に遊ばせることもよくあったという。そして7日、父親が数分店を離れた隙に、ヤダフ容疑者は赤ちゃんを連れ去ってしまった。

7日の夜、ヤダフ容疑者は赤ちゃんを連れ去った20分後に、再び赤ちゃんを家に戻した。両親が家で赤ちゃんを発見した時、赤ちゃんは出血していたという。赤ちゃんは直ちに病院に搬送され8日に手術を受けた。現在赤ちゃんの容態は安定しているという。

ヒンドゥスタン・タイムズは、歩くのを覚えたばかりの生後21カ月の赤ちゃんがレイプされたと報じた。「娘は歩きはじめるのが少し遅く、つい3カ月前に歩けるようになったばかりなんです。少しでも歩く練習になるようにと、娘には行ってはいけない場所などは特に設けず、喫茶店の周りも自由に歩き回らせるようにしていたんです。でも今後は、娘を自分の目の届かない場所に行かせられなくなるかもしれません」と、被害者の赤ちゃんの父親がヒンドゥスタン・タイムズに話した。

また被害者の赤ちゃんの母親は、「娘の怪我は治るでしょうが、もうこれまでのように元気で明るい子には戻れないでしょう。娘は今もずっと泣き続け、私と話そうともしないのです」と、ヒンドゥスタン・タイムズに話している。

ヤダフ容疑者は児童性犯罪保護法(POSCO)により、レイプの容疑で書類送検された。

ハフポスト・インド版より翻訳・加筆しました。

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