武田鉄矢さん、中国では「一般家庭に冷蔵庫がない」と発言。文化放送で新型コロナに関する持論を展開【UPDATE】

2019年時点で、中国の冷蔵庫の普及率は都市部で102.5%、農村部で98.6%だ。
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俳優の武田鉄矢さんが、3月2日の文化放送のラジオ番組で、新型コロナウイルスの感染が中国・湖北省武漢市で広がったことについて、「中国の一番の問題」として「一般家庭に冷蔵庫がない」ことがあったと話した。

中国の一般家庭には冷蔵庫は普及している。文化放送はハフポスト日本版の取材に対し「より正確な表現をするよう、番組の制作担当者から出演者にお伝えします」と話している。

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「武田鉄矢・今朝の三枚おろし」文化放送の公式サイト
文化放送の公式サイトより

■ナレーションや武田さん発言に誤り

発言があったのは、文化放送で3月2日朝7時40分ごろから放送された「武田鉄矢・今朝の三枚おろし」という番組。まず以下のようなナレーションが流れた。

世界で初めて新型コロナウイルスの感染症が発症してから1年以上が経ちましたが、いまだに大規模な調査を行えずにいます。中国政府は最初に感染が見つかったからといって中国が発生源とは限らないとして外部調査を拒んでいるからです。これが新型コロナウイルス感染症の解明に大きな壁となっています。

このナレーションがまず誤っている。WHO(世界保健機関)の調査メンバーは2月10日まで、およそ2週間の現地調査を実施している。

「中国の主張に沿う場所の視察に、多くの時間を割り当てようとしている模様だ」(2月1日の読売新聞オンライン)のように、調査の手法や内容を疑問視する声はあるが、「外部調査を拒んでいる」は明らかに事実と異なる。

この後、武田さんは冒頭で「間違いなく中国からやってきたことは間違いないし、それともう、ある意味では次(のウイルス)ですね。また同じ中国から来ますよ、新新コロナというやつがね。そういう意味でも発生源はまたいつか番組で取り上げます。武田鉄矢、今コロナ勉強中でございます」と持論を展開した。

その後武田さんは、同じパーソナリティの水谷加奈アナウンサーに「一番の問題はなんだと思う、なぜ中国で発生したか、中国にはもう1つ問題があるんです」と質問する。

水谷アナウンサーが「衛生とかじゃなくてですか?」と返すと、武田さんは「衛生といってもいいでしょう。冷蔵庫を持っていないんですよ」と回答した。

これを受けた水谷アナウンサーが驚いた様子で「(感染が拡大した現地の)海鮮市場に冷蔵庫」と返すと、武田さんは「違う違う、一般家庭に」と指摘する。

そして武田さんは「だから生きたニワトリを売っているんですよ、生きた魚を売っているんですよ。日本は冷蔵庫持っているんですよ、中国は市場には何台かあるかもしれないけど、一般家庭に肉を収容する冷蔵庫がないから生きたまま売っているんですよ。スッポンから、蛇から、センザンコウから、アルマジロから、コウモリまで」と話したあと、「だから武漢の問題点は、衛生もあるかもしれないですけど、冷蔵庫を持つ持たない、そんな風なところからもう一回コロナ問題を掴みなおしたほうが、これは今勉強中」とした。

そのあと武田さんは「ときどき変な本も読んでいる」とし「この間捨てました」とも話した。

そもそも、中国では一般家庭に冷蔵庫は普及している。日本の財務省のシンクタンク「財務総合研究所」が2020年9月に発表したレポートによると、2017年時点で冷蔵庫の普及率は都市部で98.0%、農村部で91.7%に達している。

ちなみに、この資料の参考元の「中国統計年鑑」には最新の数字もあり、2019年には都市部で102.5%、農村部で98.6%だ。最初に集団感染が確認された海鮮市場は市の中心部に位置する。

これに対し、文化放送の衣笠聖也・編成部長はハフポスト日本版の取材に対し、「外部調査を拒んでいる」としたナレーションについては「原稿を書いたスタッフが不在のため、改めて回答します」と話した。

また、武田さんの発言については「出演者のフリートークのなかで、言葉が足りない部分があった。より正確な表現をするよう、番組の制作担当者から出演者にお伝えします」と回答した。

ナレーションの部分について追加で回答があった場合、追記する。

【UPDATE 2021/03/03/19:45】

中国が「外部調査を拒んでいる」としたナレーションについても3日、「リスナーの方に誤解を招きかねない表現だったと反省しています。今後はより正確な表現をするようスタッフに伝えました」とコメントした。

今後、番組内での訂正についても検討していくという。