「何かがおかしい」偽物の腕でワクチン接種しようとした男性。看護師が見破る

イタリアの接種会場での出来事。その腕は「冷たくてゴムのようだった」という。
ワクチン接種後の女性 イメージ画像
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VioletaStoimenova via Getty Images

新型コロナウイルスのワクチンは打ちたくないが、接種証明書が欲しいというイタリア人の男性が、「偽物の腕」を使って医療従事者を騙そうとした。

イタリアのビエッラで看護師をしているフィリッパ・ブアさんは12月2日、ワクチン接種に来た歯科医の男性に対応した際、すぐに「何かがおかしい」と気づいたようだ。「腕を見ると、とても色が薄く、触ると冷たくてゴムのようだった」とイタリアの新聞コリエーレ・デラ・セラ紙に語った、とAP通信が報じた。

ブアさんは最初、彼は片方に義手をしていて、間違ってその腕を差し出したのかと思ったそうだが、実際は違っていた。よく調べると、腕はシリコン製の偽物だった。

男性は最終的に、ワクチン接種をせずに接種証明書だけを受け取ることが目的だったと認めた。

イタリアでは先月、バーやレストラン、映画館などの会場で、新型コロナワクチンの接種、または一度感染して回復したことを証明する「スーパーグリーンパス」の提示が義務付けられた。ニューヨークタイムズ紙によると、歯科医であるこの男性は、職場でもワクチン接種の証明を必要としていた。

男性のこの行為は、ビエッラのあるピエテモンテ州の当局から非難を受けた。CNNによると、ピエテモンテ州のアルベルト・チリオ知事は、この騙し行為を「この地域の医療システムに対する侮辱だ」と述べた。

チリオ知事とピエテモンテ州の保健評議員は共同声明で、「この事件は『バカげている』と認識されるかもしれないが、パンデミックのために地域全体が払っている犠牲を考えれば、非常に重大な行為であり、受け入れられない」と述べた。

AP通信によると、この男性は刑事告発される可能性があるという。

ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。

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