五輪イヤーに退陣のジンクス、菅義偉首相も的中。過去3回を振り返る

政界には、五輪イヤーに首相が退陣するというジンクスがある。菅義偉首相もこれに当てはまってしまった。
左から池田勇人、佐藤栄作、橋本龍太郎、菅義偉の各氏
左から池田勇人、佐藤栄作、橋本龍太郎、菅義偉の各氏
時事通信社

オリンピック(五輪)が日本で開催された年は、首相が退陣するというジンクスがまたしても当たってしまった。菅義偉首相は9月3日、新型コロナウイルス対策に専念したいとして自民党総裁選に立候補しないと表明。これによって、9月末に総裁としての任期が満了するのに伴い、首相を退任することが決まった。

日本の五輪開催は過去4回ある。1964年の東京五輪、72年の札幌五輪、98年の長野五輪、そして2021年の東京五輪だ。

64年当時の首相は「所得倍増計画」を掲げた池田勇人氏。五輪開会式1カ月前の9月に病気療養のため入院し、10月10日の開会式は病院から駆けつけて出席したが、閉会式の翌日に辞任を表明した。

72年は佐藤栄作首相だった。5月に沖縄返還を実現し、6月に辞任を表明。7月の内閣総辞職で7年8カ月の長期政権に幕を下ろした。98年は橋本龍太郎首相で、7月の参院選で自民党が大敗。引責辞任に追い込まれた。

そして21年の菅政権。新型コロナ対策やコロナ禍の五輪開催などを巡り、内閣支持率が低下した。菅首相は3日、報道陣に対し「(総裁選への)出馬を予定する中で、コロナ対策と選挙活動を考えた時に、莫大なエネルギーが必要だった。やはり両立はできない。どちらかに選択すべきである」と述べた。

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