マクドナルドのポテト不足、日本産のじゃがいもでつくらないのか。日本法人に聞いてみた

マクドナルドの『マックフライポテト』のMサイズとLサイズの一時販売休止を受けて、ネット上ではなぜ日本産のじゃがいもを使わないのか疑問の声が上がっている。
マクドナルドのポテト(左)とジャガイモのイメージ写真
マクドナルドのポテト(左)とジャガイモのイメージ写真
時事通信社 / Getty Images

北米からのポテトの輸入の遅れや不測の事態が重なり、マクドナルドの「マックフライポテト」のMサイズとLサイズが1月9日から1カ月程度、販売休止となっている

マクドナルドが日本で販売しているポテトは、アメリカ・カナダで生産、加工された後、日本に輸入されている

ポテト不足を受けて、ネット上では日本産のじゃがいもでつくることはできないのか疑問の声が上がっている。ハフポスト日本版は日本マクドナルドに聞いてみた。

ーーマクドナルドのフライドポテトに日本産のじゃがいもを使用するという選択肢はないのでしょうか。使用しない理由を教えてください。

マクドナルドのフライドポテトはマッシュしている(すり潰している)ものではなく、ラセットバーバンクなどの大きな品種のジャガイモを丸ごとカットして作っています。外はカリッ、中はホクホクとしたおいしさが感じられる、マクドナルドが選び抜いた大きな品種を使用しています。

ポテトはマクドナルドの看板商品であり、グローバルで厳格な品質基準が徹底されており、現在日本国内で多く栽培されている品種では、マクドナルドのマックフライポテトに合うジャガイモは残念ながらない状況です。

また、当社で使用する量が大変多いこともあり、産地開拓が容易ではないということもございます。

ーー原材料を北米産のじゃがいもに統一している場合、じゃがいもを輸入して日本でフライドポテトに加工することはできないのでしょうか。輸入じゃがいもに対する検疫などから難しいのでしょうか。

一部のポテトチップスで使用するもの以外、検疫でじゃがいものまま日本に輸入できないことになっております。そのため、加工された冷凍状態で輸入をしております。

ーー今回のフライドポテトの不足や休止が、日本だけ特に大規模に起きているのはなぜですか。ポテトの出荷量、輸送方法や距離といったサプライチェーンの違いなど、他の国の状況と何が違うのでしょうか。

細かな品質管理や的確な加工工程により、マックフライポテトのサイズにカットされ冷凍された状態で日本に届くため、他で代替品をすぐに作れるものではなく、空輸での輸入やアメリカ東海岸経由での船便など最大限の対応をとってまいります。

マクドナルドのグローバル基準にあった自国産のポテトを使っている国もありますが、日本の場合は米国、カナダで生産、加工されたポテトを使用しています。その加工されたポテトを乗せた船便が、水害や悪天候が続いているバンクーバー経由であることから継続的な船便の遅れが発生している状況です。

また、日本は全世界でアメリカ、中国についで3番目に店舗数が多い国となっていますため、他国に比べてポテトの使用量が多いということもございます。

ーー今回の販売一時休止やコロナ禍で続く供給網の悪化などを踏まえて、今後日本向けのフライドポテトの調理・加工工程の変更・改善を検討する考えがあれば教えてください。

現在、輸入業者やサプライヤーと協力のうえ、航空便での輸入、アメリカの東海岸からの輸入も行っておりますが、将来的な原材料の安定調達に向けて、供給元や輸送ルートの開拓など新たな仕組みの構築をはかってまいりたいと存じます。

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