メディアこそZ世代の視点が必要だ。能條桃子さんを「U30社外編集委員」として迎えます。

NO YOUTH NO JAPAN 代表理事の能條桃子さんを迎えます。「メディアと取材相手」という関係を超えて、メディアの「中」に入ってもらうことで、“これから世代”の視点をダイレクトにコンテンツに生かしていきます。
撮影:坪池順/デザイン:高田ゆき
撮影:坪池順/デザイン:高田ゆき
ハフポスト日本版

ハフポスト日本版は、若者に政治意識を高めてもらうための情報発信を行う「NO YOUTH NO JAPAN」代表理事の能條桃子さんを「U30社外編集委員」として迎えます。

能條さんは1998年生まれのZ世代。そして30歳未満の「U30世代」です。

社外編集委員という立場でハフポストに参加し、若い世代の視点をハフポストの「中」にどんどん入れていきます。ともにコンテンツをつくり、発信もしていく予定です。

2021年夏。東京オリンピック開催をめぐっては、日本社会の人権意識の低さとともに、年功序列や同質性の高いメンバー構成、「根回し文化」などがはびこる組織の脆弱さも露呈しました。

これまで、社会や組織におけるダイバーシティ&インクルージョンの重要性を訴えてきたハフポスト日本版ですが、私たち自身も変わり続けなくてはなりません。

今後も組織内の「視点」の多様化に努め、いっそう社会的責任を果たしていきたいと考えています。

泉谷由梨子編集長(左)と能條桃子さん【撮影:坪池順】
泉谷由梨子編集長(左)と能條桃子さん【撮影:坪池順】
Jun Tsuboike / HuffPost Japan

能條さんが就任する「社外編集委員」とは?

「社外」の視点の重要性は、世の中的にも高まっています。

2030年までに貧困やジェンダー不平等、気候危機などの解決を目指す世界的な枠組み「SDGs」。環境・人権問題への対策、企業統治のあり方を重視して企業への投資をおこなう「ESG投資」。こうした潮流の中で、多くの企業経営者が今、「社外取締役」の存在に注目しています。

社外取締役とはその会社での業務経験がない取締役のことをいい、社内の論理や暗黙のルールに引きずられず客観的に経営判断をするのが仕事です。

いま、この立場が「サブメンバー」ではなく、企業経営の根幹を左右する重要なものだと認識されてきており、金融庁と東証が定める企業統治方針(コーポレートガバナンスコード)でも、社外取締役の強化が求められています。

ハフポスト日本版

新型コロナのような不測の事態がいつ起こるかわからない不透明な時代。

SNSを通じた消費者運動も激化しています。

これまでの常識は通じないどころか、気候危機などの未曾有のグローバル課題に向き合っていかなくてはならない時だからこそ、企業のガバナンスにおける「視点」の多様化が急務とされているのです。

今回、能條さんが就任する「U30社外編集委員」は実は、社外取締役の役割から着想を得ている部分もあります。

「社外」のメンバーからの意見やフィードバックが、私たちを「中」から変え、思考の新陳代謝を活発にするはずだと考えています。

能條桃子さん【撮影:坪池順】
能條桃子さん【撮影:坪池順】
Jun Tsuboike / HuffPost Japan

メディアの「中」に、若者の視点は足りている?

当然これまでも、取材などを通じて「外の目」「若い世代の目」に触れてきました。

ただし「U30社外編集委員」の取り組みは、若者を観察・取材対象として見るのではなく、「中」に入ってもらうことを重視しています。

気候危機やジェンダー不平等、格差のひろがり…。Z世代がこれから長く向き合っていかねばならない社会課題について議論したいのに、上の世代だけが集まってコンテンツをつくるのでは不十分ではないか。

メディア業界には、20代の若い社員は地方の支局などで「下積み」というのが慣習で、中枢とされる部門で働く環境があまりないという組織もあります。

そんな中、いくつかの企業のユニークな取り組みが話題になりました。

ミドリムシを原料とした食品開発などを手がける「ユーグレナ社」は18歳以下を限定として「CFO(Chief-Future-Office=最高未来責任者)」のポストを新設。会社と社会のサステナビリティを考え、実践することがミッションだといます。初代CFOの小澤杏子さんは環境問題への関心から、同社が製造販売する飲料のペットボトル全廃を掲げ、実行しました。

また、IT大手のサイボウズは取締役を社内公募し、新卒1年目の社員を選出しました。

私たちもこうしたアクションをもっと起こしてみたい。メディアにこそ、こういう動きが必要ではないか。

「メディアと取材相手」という関係を超えて「当事者」になってもらうことで、”これから世代”の視点をもっとダイレクトにコンテンツに生かしたいと考えています。

まずは総選挙。U30世代にとって大事な争点は?

ハフポストの「U30社外編集委員」となった能條さんには、

今、メディアに足りていない視点は何か?

Z世代が求めている情報は?

世代や違いを超えた対話はどうすれば実現できる?

などの観点でコンテンツに対するフィードバックをしてもらうとともに、一緒に新たなチャレンジをしていく予定です。

まず取り組んでいくのが、衆院選に向けたプロジェクト。

これからますます社会の中心になっていくU30世代が政治に求めることは一体何なのか。

若者の政治意識向上を目指す「NO YOUTH NO JAPAN」代表でもある能條さんと一緒に「選挙アップデートfor U30」という企画を立ち上げます。

アンケートなどでU30世代の意見を募り、若者が本当に議論したいと思っている「選挙の争点」を洗い出し、記事やハフライブなどを通じて議論を深めていく予定です。

そもそも選挙で世の中が変えられるとはなかなか思えない。そんな思いを抱いているZ世代もいるかもしれません。そのホンネも深堀りしていきます。

読者の皆さまの中にも「これについて取り上げて欲しい」「こんな選挙になって欲しい」などの考えやアイデアをお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひご意見を寄せていただけると嬉しいです。(sdgs@huffpost.jp

U30社外編集委員を迎えたハフポスト日本版に、ますますご期待ください。

(文:南 麻理江/撮影:坪池順/グラフィック:高田ゆき)

泉谷由梨子編集長(左)と能條桃子さん【撮影:坪池順】
泉谷由梨子編集長(左)と能條桃子さん【撮影:坪池順】
Jun Tsuboike / HuffPost Japan

▼「選挙アップデートfor U30」アンケートにぜひご協力ください。(回答は年齢・世代を問わず受け付けています)

<アンケートは終了しました。ご協力ありがとうございました>

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